モニター診療で患者の意識が大きく変わる

ICECの藤江です。

口腔内カメラを使った診療、モニター診療のメリットは、大きく2つの側面から考えることができます。まずひとつは、治療する歯科医自身へのメリットです。口腔内カメラは歯科医の身体に優しく作られています。口腔内カメラを使わない従来の治療では、患者の口の中を覗き込むために大きく身体を捻ったり、腰を屈めるなど、身体に大きな負担がかかる姿勢を強いられます。

口腔内カメラは“自然体”で診療が行えるため、こうした不自然な姿勢は必要がありません。これまで歯科医にはつきものだった腰痛や首の痛みを軽減できます。加えて、口腔内カメラは映像が鮮明で20倍まで拡大可能。患者の口の中を隅々までストレスなく見ることができるので、目にも優しい技術です。これらを考え合わせると、歯科医としての寿命が15年くらいは伸びるのではないか、と考えています。

もう一方の側面は、診療を受ける患者のメリットです。歯科医の姿勢が楽になり、口の中がよく見えることで治療の精度と速度が向上し、患者の負担が軽減されるのは、口腔内カメラ最大のメリットと言えます。でも、それだけではありません。

 

私の歯ってこんなに汚かったんだ!!

モニター診療では、歯科医とともに患者本人も自分の口の中の映像をリアルタイムで見ることができます。すると、いったいなにが起こるのか。自分の口の中に対する患者の関心が飛躍的に高くなるのです。

「しっかり歯を磨いてください」と口を酸っぱくして言っても、なかなか言うことを聞いてくれないのは、歯を磨くべき理由がいまひとつピンときていないから。普段の生活はもちろん、治療においても、これまで患者はじっくり自分の口の中を見ることはほとんどありません。

モニター診療でじっくりと自分の口の中を見た患者は「恥ずかしいほど汚い」と口を揃えます。自分ではよく磨いているつもりでも、こびりついた汚れが一目瞭然。「こりゃマズい」と気づき、一所懸命磨くようになります。まさに“百聞は一見に如かず”で、患者の啓蒙に効果抜群なわけです。

モニター診療の現場を見れば、どのような技術か歯科医ならすぐにわかるはず。そのくらいマスターしやすい、真似しやすい技術です。ところが、歯科医からお褒めの言葉は頂戴しても、真似しようという動きは見られません。旧態依然の臨床技術で診療を続けているのは、残念としか言いようがありません。

著者プロフィール

口腔内カメラ教育センター
代表 藤江英宏(ふじえひでひろ)

口腔内カメラを使った「モニター診療」は、口の中を撮影し、その数倍~20倍の映像を見ながら治療をする方法で、2002年に私自身が考案した新しい治療方法です。