医師とアシスタントの信頼関係が生まれるモニター診療

ICEC(アイセック)の藤江です。

歯科治療は歯科医師一人でもできる場合が多いのですが、患者さんに安心感を与え、かつ安全で効率の良い診療を目指すなら「チェアーサイド・アシスタント」の存在価値は大きいと思います。

モニター診療では、基本的に歯科医師とアシスタントが緊密に連携を取りながら診療を進めていきます。

モニター診療でのアシスタントの役割

チェアーサイド・アシスタントの役割はいくつもありますが、歯科医師に診療器具の受け渡し(手渡し)をすることは大変重要な役割です。何を受け渡しにするか、受け渡しの場所も決めておく必要があります。

モニター診療では、診療台の「背もたれ」は水平にした状態で患者さんに仰向けに寝てもらい、主に患者さんの「おとがい」の左下で診療器具の受け渡しをします。

歯科医師は患者さんの11時~12時の位置(患者さんの頭頂部の真後ろ)に座り、アシスタントは3時の位置(患者さんの左側)に固定された椅子に座って作業します。アシスタントは常に定位置であることが重要なのです。

それ以外のアシスタントの仕事としては

  • それぞれの患者さんの診療開始前に診療台の消毒
  • 新しいバキュームチップやスリーウェイシリンジのノズルをセットする
  • ドクター側のテーブルに基本セット(ピンセット・探針・エキスカベータ)を準備する。
  • 診療に使う機材や材料をアシスタント側のテーブルに準備する。
  • 待合室から診療台まで患者さんを誘導する
  • 診療器具(エキスカベータやスケーラー)の汚れをふき取る
  • 適切なタイミングでバキュームを操作する
  • セメントや印象材を練る
  • 患者さんの口のまわりについた印象材などの汚れをふき取る
  • 診療終了後の患者さんに労をねぎらう言葉をかけ、うがいをしてもらう
  • 使い終わった器具などの後片付けと消毒・滅菌

一般的な診療方法ではアシスタントは患者さんの近くにいても、患者さんの口の中で行われている治療はあまりよく見えません。

そのため、アシスタントは歯科医師が次にどんな治療をはじめるのか予測できず、歯科医師に催促されてはじめて動き出す場合があります。そのような方法ではアシスタントがいることのメリットが少なくなります。

 

アシスタントが予測しやすい診療方法

それに対してモニター診療では、アシスタントは診療台の右側に設置された鏡でモニターをいつでも見ることができます。そのため、現在進行中の治療内容の詳細をモニターで把握しながら、アシスタントとして次に行うべき作業を予測して「あうんの呼吸」で診療補助することができます。

治療内容が見えることは、アシスタントにとってストレスが少なくなるだけでなく、歯科医師と一緒に治療をしているという当事者意識が生まれ、仕事のやりがいにも繋がると思います。

当然ながら、アシスタントとスムーズに連携して治療するため、歯科医師側にも求められることがあります。それはできるだけ少ない種類の機材や材料を使い、同じ手順で治療するということ。治療方法のバリエーションが多すぎると、アシスタントは次に行う治療内容を予測できなくなるからです。

モニター診療は歯科医師にもアシスタントにも働きやすく、やりがいを感じられるシステムだと自負しています。

 

著者プロフィール

口腔内カメラ教育センター
代表 藤江英宏(ふじえひでひろ)

口腔内カメラを使った「モニター診療」は、口の中を撮影し、その数倍~20倍の映像を見ながら治療をする方法で、2002年に私自身が考案した新しい治療方法です。