モニター診療見学会でお伝えしたいこと

ICEC(アイセック)の藤江です。
今回は3月30日に開催した「モニター診療見学会(入門セミナー)」の様子をご紹介します。

自分の診療に活用できるかを判断

入門セミナーを”見学会”としているのは、スライドやビデオを使って説明するセミナーよりも、できるだけ本物の治療に近いものを実際の臨床現場で見てもらうことで、参加者自身の診療に活かせるかどうか判断できると思ったからです。まずはモニター診療に興味を持ってくれた方々に、どのような治療ができるのかを気軽に見てもらおうと考えました。

また、少人数開催なので参加者からのリクエストや質問に答えながら進めることができます。当日は参加者一人一人に日常診療でどんなことで苦労しているか?などを聞きながら、モニター診療を行う場合はどのように対処するかを、その場で実演しながらお答えしました。

当然ながら、参加者のリクエスト内容や質問によって毎回お見せする内容は違ってきます。今回は診療台に顎模型をつけたマネキンを置き、普段の診療と同じように口腔内カメラの映像をモニター上で見ながら様々な治療を実演。折良く患者役のスタッフにカリエスが見つかったので、実際のCR充填の手順も見てもらうことができました。

【今回の見学会の内容】

  • 水平位診療のコンセプトと望ましい診療姿勢
  • モニター診療の概要について
  • 口腔内カメラ(アインシュタイン・ルミカ、アールエフ)の使い方
  • 上下顎のすべての歯をスムーズに撮影する方法
  • 1本の歯を4方向から撮影して見る方法とその意義
  • 歯ブラシと歯間ブラシの動かし方を患者に見せながら行う上顎大臼歯のブラッシング指導
  • 右上6番・7番の隣接面・遠心面と右下6番の根分岐部のプロービング
  • 下顎前歯部舌側面のハンドスケーラーを用いた知覚過敏を起こさないスケーリング
  • 左下6番・7番の咬合面の窩洞形成
  • 左下6番の支台歯形成(特に隣接面の形成)
  • 右上5番のカリエス除去・CR充填・形態修正
  • 左上6番の充填物の除去と根管内をモニターで見ながら行うファイリング(マイクロファイルを用いた)

一番伝えたいのは安全で確実な治療技術

この他にも例えば、
「左下7番の遠心舌側面を削る場合には舌を排除しながら行う必要があるが、モニター診療ではどうするのか?」
といった参加者から質問に対して、
「その部分はモニター診療で見ながら削るのは正直難しいので、舌をミラーで排除しながら直視で削った後で、口腔内カメラを使って確認する手順をとります」
など、私が普段の診療でどう対処しているのかを正直にお答えしています。

大切なのは、すべてをモニター診療で行うことではなく、安全で確実な治療をすることです。医療技術では、あまり挑戦的なことをすると患者さんが犠牲になることがあります。無理な治療をして患者さんに辛い思いをさせてしまっては本末転倒になってしまいます。

モニター診療を行っていても、術野を直視した方が安全なときは無理をせず従来通り直視して治療することが、患者さんに喜ばれる治療に繋がります。見学会では技術だけでなく、私自身の治療に対する考え方もお伝えしていきたいと思っています。

 

著者プロフィール

口腔内カメラ教育センター
代表 藤江英宏(ふじえひでひろ)

口腔内カメラを使った「モニター診療」は、口の中を撮影し、その数倍~20倍の映像を見ながら治療をする方法で、2002年に私自身が考案した新しい治療方法です。