代表挨拶


口腔内カメラ教育センター(ICEC)代表の藤江英宏(ふじえひでひろ)です。

わたしは横浜で藤江デンタルクリニックを開院しております。治療のほとんどは、口腔内(こうくうない)カメラという小型ビデオカメラを使ったモニター診療をしております。これは口の中を撮影し、その数倍~20倍の映像を見ながら治療をする方法で、2002年に私自身が考案した新しい治療方法です。

ICECでは、この治療方法をより多くの歯科医院に導入していただきたく、導入および教育セミナーを開催しております。

ご存知の通り、歯科治療は大変細かい作業の連続です。肉眼で見ているだけでは限界があり、細部の見落としが多いと自覚されている歯科医の方は意外に多いのではないでしょうか?

この治療方法の大きな利点は、歯が大きく見えるので、不器用でも自然と正確で丁寧な治療が出来るようになることです。患者さんもご自分の歯の状態や治療の様子をモニター画面で一部始終を見ることができます。

私も以前は肉眼で見ながら治療していましたが、この方法に切り替えてから治療のレベルがぐっと向上し、患者様の負担も大幅に軽減されたと実感しています。

その証拠に、患者さんが繰り返し来院されるようになりました。さらに宣伝をしなくても口コミで新しい患者さんが来院されるようになり、医院の経営が大変楽になりました。自由診療の苦手な営業をする必要もなくなりました。

その結果、患者様は安心して治療を受けられ、治療時の痛みも少なく済みますので大変喜ばれています。

 

モニター診療が生まれるまで

不器用さが悩みのタネ

学生時代から大変不器用で時間がかかり、実習はいつでも最後まで居残りになっていました。まじめに努力はしていたので、教官がお情けで試験に通してくれている有様でした。

そのため、歯科医師になって就職した歯科医院では手が遅く、治療そのものも下手で、当然ながら保険点数も上がりません。担当した患者さんにも、就職先の歯科医院にも大変迷惑をかけていました。下手なのは十分自覚していましたが、どうにもなりません。解決策がなく、だんだんと精神的に追い込まれていきました。

 

水平位診療との出会い

転機が訪れたのは3年目の秋。東京ドームで行われたデンタルショーで水平位診療のデモンストレーションを偶然目にしたことでした。それまで見てきた歯科治療とは、診療スタイルがまるで違いました。それまで幾人もの歯科医師が診療するところを見る機会がありましたが、デモをしていた水戸律夫先生のいかにも楽しげな様子に感銘を受けたのです。楽しそうに診療している人はあまり見たことがありませんでした。

そこで水戸先生にお願いして実際の診療を見せてもらいました。何回も見学するうちに、ぜひとも自分も水平位診療ができるようになりたいと思い、水平位診療に関するセミナーに参加し始めました。セミナーは熱海や大阪で行われることが多く、受講料だけでも100万円程度かかりましたが、貪欲に勉強しました。

当時勤めていた歯科医院では水平位診療ができないので、水平位診療をやっている歯科医院に転職しました。水平位診療の特徴はコンセプトがとても明確で治療方法に型があること。そのため、私のように不器用な人でも一定のレベルになるのです。そこで習得した技術は、20年たった今でも私の診療技術の基礎になっています。

 

モニター診療はこうして生まれた

その後、数年間は熱心に水平位診療に取り組んでいましたが、開業医になってから口腔内カメラと出会うことになります。当初は口腔内カメラを使いこなせずにいましたが、あるきっかけで口腔内カメラの映像を見ながら治療する方法を考え出しました。

当初は口腔内カメラをミラーの代わりに使っていましたが、直視できる下顎の治療もモニターで見ながら行った方が上手くいくことに気づき、半年後には、ほとんどすべての治療を口腔内カメラの動画映像を見ながら行うようになりました。

拡大されて良く見えるため、手さぐりで勘にたよる治療がなくなり診療中のストレスも大幅に減少。とても楽しく診療することができるようになりました。

その後、患者さんに診療内容をリアルタイムで見せるようになってからは、患者さんの反応が大変良くなり、口コミで患者さんが随分増えました。増えすぎて新患の受け付けをしばらくお断りしていた時期もあったほど。さらに、治療中に無理な姿勢をすることがなくなったため、数年来患っていた腰痛もすっかりなくなりました。

 

モニター診療を広めるために

この診療システムは、肉眼で治療部位を見ながら行う従来の歯科医療の課題を抜本的に改善することができるものだと確信し、研究会や学会などで積極的に発表するようになりました。また、実習セミナーも企画し、多くに歯科医師にこの技術のノウハウを伝える活動をしています。

セミナー情報

 

 

経歴

1965年:東京都江戸川区 生まれ

1993年:新潟大学歯学部 卒業

1996年:ダリル・ビーチ氏の提唱する水平位診療に出会い、診療スタイルを改める

2001年:藤江デンタルクリニックを開設

2002年:口腔内カメラの映像を患者と一緒に見ながら診療する「モニター診療」を開発

2007年:モニター診療の特許取得(特許第3959644号 歯科診療装置)

2011年:新潟大学歯学部同窓会セミナー

2012年:松本歯科大学大学院セミナー

2013年~鶴見大学歯学部保存修復学講座に所属

2015年:バンコクで開催されたFDI(世界歯科医師 連盟)でモニター診療について発表

2016年:日本歯科保存学会で年間優秀論文賞

2017年:2月20日に口腔内カメラ教育センター設立

2017年:4月からアポロニア21で連載開始

 

学会発表

藤江英宏.
口腔内カメラの動画映像を見ながら行う歯科治療システム.
日本歯科人間工学会 第24回研究発表大会、九州歯科大学. 2008.

藤江英宏.
口腔内カメラの動画映像を見ながら行う根管治療.
日本歯科保存学会2010年秋季学術大会(133回)、長良川国際会議場. 2010.

藤江英宏、藤江進、英將生、齋藤渉、林応璣 桃井保子.
口腔内カメラの映像を見ながら行う窩洞形成 第1報
:ミラーを見ながら行う従来の窩洞形成との比較.
日本歯科保存学会2014年度秋季学術大会(第141回)、山形テルサ.2014.

藤江英宏、林応璣、齋藤渉、英將生、藤江進、桃井保子.
口腔内カメラの映像を見ながら行う窩洞形成 第2報
:直視で行う上顎大臼歯一級の窩洞形成との比較.
日本歯科保存学会2015年度秋季学術大会(第143回)、文京シビックホール.2015.

Hidehiro Fujie.
Cavity preparation performed while viewing images from an intraoral camera.
FDI 2015 Bangkok Annual World Dental Congress 、
Bangkok International Trade& Exhibition Center. 2015.

 

雑誌寄稿

口腔内カメラの動画像による歯科治療
The Quintessence 21:2221, 2002

「院長インタビュー:口腔内カメラの映像を見ながら行う治療を考案」
アポロニア21、2016年10月号10-14ページ

 

講演

2011年

口腔内カメラの拡大映像を見ながら行う歯科診療システム
キャンパスイノベーションセンター東京 新潟大学歯学部同窓会セミナー

 

2012年

口腔内カメラの動画映像を見ながら行う診療システムとそれを用いた臨床教育の利点について
松本歯科大学 第263回大学院セミナー

 

原著論文

年間優秀論文賞(松風優秀論文賞)受賞論文

藤江英宏、林応璣、齋藤渉、英將生、藤江進、桃井保子
口腔内カメラの映像を見ながら行う歯科治療 第1報
上顎大臼歯の窩洞形成をミラーで見ながら行う従来法との比較
日本歯科保存学雑誌 58 (1):60-70, 2015.